概要
Honoは、あらゆるJavaScriptランタイムをサポートするWebアプリケーションフレームワークです。このHonoフレームワークの`setCookie()`ユーティリティに、Cookie属性インジェクションの脆弱性(CVE-2026-29086)が報告されました。
バージョン4.12.4より前のHonoにおいて、`Set-Cookie`ヘッダーを構築する際の`domain`および`path`オプションで、セミコロン(;)、キャリッジリターン(r)、改行文字(n)の検証が不十分であったとされています。
これにより、信頼できない入力がこれらのフィールドに渡された場合、攻撃者によって追加のCookie属性が挿入される可能性が指摘されています。本脆弱性はバージョン4.12.4で修正されています。
影響範囲
Honoフレームワークのバージョン4.12.4より前のバージョンを使用しているシステムが影響を受ける可能性があります。
- 具体的には、`setCookie()`ユーティリティを使用し、`domain`または`path`オプションに外部からの信頼できない入力をそのまま渡しているアプリケーションが該当します。
想定される影響
攻撃者が細工した入力を通じて、追加のCookie属性を挿入する可能性があります。
- これにより、既存のCookieの動作が意図せず変更されたり、セキュリティ関連のCookie属性(例: `HttpOnly`, `Secure`, `SameSite`など)が無効化されたりするリスクが考えられます。
- 結果として、セッション固定攻撃やクロスサイトスクリプティング(XSS)など、より広範なWebアプリケーション攻撃の足がかりとなる可能性も否定できません。
攻撃成立条件・悪用状況
攻撃が成立するためには、Honoアプリケーションが`setCookie()`関数を使用しており、かつ`domain`または`path`オプションにユーザーからの信頼できない入力(例: URLパスの一部、ユーザー提供のドメイン名など)を適切にサニタイズせずに渡している必要があります。
現在のところ、本脆弱性の具体的な悪用状況については、公開情報からは確認されていません。
推奨対策
最優先で実施すべき対策
- Honoフレームワークのアップデート: Honoをバージョン4.12.4以降に速やかにアップデートしてください。このバージョンで本脆弱性は修正されています。
中長期的な対策
- 入力値の厳格な検証: `setCookie()`関数に渡す`domain`および`path`オプションの値は、常に信頼できるソースから取得するか、ユーザーからの入力である場合は厳格なサニタイズとバリデーションを実施してください。許可される文字セットや形式を明確に定義し、それ以外の文字(特にセミコロン、改行文字など)は除去またはエスケープする処理を実装することが重要です。
- セキュリティレビューの実施: アプリケーションコードに対し、Cookieの生成や設定に関するセキュリティレビューを実施し、同様の入力検証不備がないか確認してください。
一時的な緩和策
Honoのバージョンアップが直ちに困難な場合、`setCookie()`関数を呼び出す前に、`domain`および`path`オプションに渡す文字列から、セミコロン(;)、キャリッジリターン(r)、改行文字(n)などの特殊文字をアプリケーション側で明示的に除去またはエスケープする処理を実装することで、一時的にリスクを軽減できる可能性があります。ただし、これは根本的な解決策ではないため、速やかなバージョンアップを強く推奨します。
確認方法
- ご自身のHonoアプリケーションが使用しているHonoフレームワークのバージョンを確認してください。`package.json`ファイルなどで依存関係を確認できます。
- アプリケーションコード内で`setCookie()`関数がどのように使用されているか、特に`domain`および`path`オプションにどのような値が渡されているかを確認してください。